Joeさん、Editorさん、編集部様
これまでのhパラメータによるトランジスタ等価回路の線形・近似計算法は、電源電圧Vcc=12V, 9V など電源電圧値を固定し、トランジスタの電源をIc = hfe*Ib 電流源で表現するため、コレクタ電圧Vceの変化する動作モデリングが現在でも表現できていません。
このため、コレクタ電圧Vceが変化する”コレクタ変調回路”で発生するIcの飽和領域で、電流増幅率 hfe が低下し、マイナス変調になる現象がこの線形近似計算方法では予測計算できないでいました。
RJX-601はとても古い機種ですが、この問題はずっと放置されてきたように思います。
物理学でも、フックの法則に似たような課題があり、
バネの力 f=k*x で、kを定数とし、xの値域を定めないという悪い慣習が残っていると思います。
このため、ばねを引っ張って伸ばし、x を大きくしていくと、バネがぐにゃりと曲がり元に戻れなくなったり、切れたりします。
このような簡単なものも結構アバウトで、曖昧のままになっている教育慣習があるので、見直したほうが良いと思うのですが、いかがでしょうか。
線形式でなく、二次、三次以上の近似計算モデルの無い状態が、今後の未来も続くのでしょうか?
「電験」という資格試験では、現在でも hパラメータのトランジスタ等価回路が出題されていますが、現実の電子回路設計に必要な計算には、あまりにも非力ではないでしょうか?
演習問題が解け合格点がとれ、資格が合格なら良し、と考えるような教育上の雰囲気があるように感じています。
▼M2019J1さん:
>トランジスタ,FET, ダイオードは、非線形特性を持つことは書籍上で、言葉による説明はある一方で、hパラメータによる等価回路の(近似)計算モデルでは、電流増幅率 hfe または βを一定の定数値として計算させる演習問題や、資格試験が、線形特性範囲だけの(暗黙のまたは未定義の)仮定になっているように思えます。
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>現実の回路では、コレクタ電流が増えて飽和状態に近づくと、電流増幅率hfeが下がり、増幅から -> 増幅が起こらない -> 減衰 の電磁的特性があるのに、これまでの電気・電子工学の教育は、点数をとることに目標をおいているために、設計で起こる重要な非線形特性までを考慮していないように感じます。
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>例として、ナショナルのRJX-601 の3W動作でのマイナス変調現象も、伝説的な非常に長い歴史をもった教育が失敗する実績を作ってきてしまっているように思えます。
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>等価回路モデルによる近似計算は、そうした非線形特性部分の領域が、計算有効範囲から外れてしまっていることを伝えることは、特にトランジスタの入門書ではたいへん重要と思えるのですが、いかがでしょうか?