▼大学3年設計さん:
>了解しました。しかし、自分の計画の悪さから講義時間を考えると基盤に取り付けて作り直すのは厳しいので、不本意ではありますがこのまま進めていきたいと思います。私の勝手ではありますがご理解いただいた上でアドバイスをいただきたいです。本当に申し訳ありません。運ぶ時に配線不良にならないように十分注意して箱に固定し、配線を確認できるようにして使うことにしようと思います。
懸念するのは,配線不良というより,ブレッドボードのホールと部品のリード線の電気的な「接触不良」です.見た目で正しく配線されていても電気的には接触不良が生じていることがあって,チェックがやっかいです.特にブレッドボードが1年以上使われたり,新品であっても不適切な環境で長期保管されたものだと,接点が酸化しているかもしれません.
使用する部品も製造から年月が経過していないフレッシュなものでないと,部品販売店で購入した新品未使用であっても,不適切な環境における長期保存の結果,すでにリード線が酸化していることがあります.
一方,ユニバーサル基板を使って半田付けすると,糸半田に含まれるフラックスによって,酸化膜が除去されるので良好な電気的接触が得られます.
さて,本機の回路図を眺めると,ざっと70か所ほどの接続点があります.ジャンパー線を含むと80か所ぐらいでしょうか.
1接続点あたり99.9%の確率で正常に接触するならば,0.99980≒92.3%の確率で良好な接触が得られると期待できます.しかし,1接続点あたり99%の確率で正常に接触するならば,すべての接触点で良好な接触が得られる確率は0.9980≒44.8%と半数以下です.
まぁ運が良ければ,一部の接続点が接触不良でも動作するかもしれませんが,不安定だろうと思います.
> 回路を見直してなんとかセンサーの出力を読み取ることができるようになりました。しかし、やはり電源を入れると0.16Vほどの出力が出てしまいます。これを超えるセンサーの出力があれば表示されるのですが、この0.16Vの原因はどのようなものでしょうか?配線は間違っていないように思うのですが、やはりブレッドボードが原因でしょうか?
配線が(電気的に)間違っていなければブレッドボードか部品のリード線に起因する接触不良の可能性があります.
> 電池は006Pを使っています。しかし、出力電圧が若干低めに出ることがあります。ブレッドボードを使う上では覚悟しなければいけないものでしょうか?
>電池の電圧が8.4Vしかないのですが、5Vの出力は安定しています。
電池電圧が低下してくるのは避けようがありません.そこで3端子レギュレータを使って5.0Vに安定化しています.レギュレータ出力が5.0Vであれば,問題はございません.
>またセンサーを差していない状態だとLMC6482から0.6Vが出てしまっています。TP9では0VなのですがLMC6482の6.7ピンから0.6Vが出てしまうのはなぜでしょうか?
配線が間違っていなければ,たぶん接触不良だろうと思います.繰り返しますが接触不良は見た目では判断しづらいです.しかもブレッドボードの場合は,いったん接触が回復しても,しばらくすると接触不良に戻っていることがあります.
TP9が0VならばLMC6482のピン6は,仮想短絡(バーチャルショート)していますから,ピン5と同じ電位であるのが正常です.ピン7はピン6と電気的に短絡していますから,0Vになるはずです.
> LM2907は配線の間違いを発見し直すことができました。
> LM358Aの3ピンが2.54Vではなく2.28Vほどしか出ていないことも気になります。
回路図を見てください.LM358Aのピン3はLM358Aの電源電圧をR5とR6で半分にした値になるのが正常です.(LM358Aの入力バイアス電流は,ほぼ無視できるほど小さいです)
電源電圧が5.0Vなら2.5Vが正しい値です.ただし,使用した抵抗器の誤差(と入力バイアス電流)に応じて,値がずれます.
2.28Vは,ずれすぎです.たぶん接触不良が原因でしょう.