写真のアップロードありがとうございます.
▼大学3年設計さん:
>▼editorさん:
> 6.7ピンに関しては6.7ピンをつなぐイマジナリーショート以外の配線はしていないので正直どこが悪いのかわかりません。LM6482が原因ということもあり得ますか?TP9が0Vになっているので5ピンに入る電圧も正しいと思います。そしてそれまでの接触不良はないと考えられると思うのですがどうでしょうか?
配線が「電気的に」間違っていなければ,LM6482のピン5とピン6は「仮想短絡」(virtual short)によって同電位になります.そしてピン6とピン7は電気的に短絡しているので同電位すなわち0Vになります.これが正常な動作です.
過大電圧を与えるなどしていなければ,たぶんLMC6482は正常です.
疑わしいのは配線ミスと接触不良です.
ジャンパーは見たところ2ピース構造ですが,これも要チェックです.初期不良というか,そもそもジャンパーとして機能していないことがあります.
ブレッドボードが接触不良を起こしている可能性があるので,LMC6482の各ピンの電圧を測るほか,接続箇所の電気抵抗を確認してください.おそらく不安定だろうと思います.
なお,「イマジナリーショート」という用語は間違っています.お恥ずかしい話で恐縮ですが,弊社から永年にわたって販売され続けた書籍が原因となって,広まってしまった用語です.著者は“virtual short”のつもりで間違って「イマジナリーショート」と原稿に書いてしまい,それがそのまま出版されて日本国内に広まってしまった経緯がございます.
>> 当たり前のようですが,公称値が220kΩの抵抗器は,それ自身の電気抵抗が220kΩであることを表しています.
>> 他の部品と接続したままだと,テスターが表示するのはテスターが測った電気抵抗値であって,部品の抵抗値ではありません.
> つまり、1つの抵抗の両端を測っていても回路全体を見ると2つの抵抗の並列を測っているということですか?
テスターは,その抵抗レンジで測定した2点につながっている全回路の電気抵抗値を測った結果を表示しています.しかも抵抗レンジだとテスター内部の起電力も含めた形で測った値を表示しています.もしも被測定回路が通電されていたり,大容量コンデンサに電荷が残っていると,それらも測定値に反映されます.
>> ところで,ブレッドボードのメーカ名,型名,いつ頃から使い始めたものかわかりますか?
>ELEGOOのArduino UNO R3 スターターキットに入っていたものを使っています。830 Tie-points Breadboard 1PCと書いてあります。使い始めたのは約1か月前です。
それほど古いわけではないようですね.
しかし初期不良の可能性があります.一部の領域だけ機械的な接触が緩かったり,生産行程における電極の表面処理品質が悪いために酸化膜が形成されているかもしれません.
>> テスターは何をお使いですか?メーカ名や型名を教えてください.内部抵抗が低いものだと被測定回路に影響を与えるので正しい値を測れないことがあります.
>DT83Bデジタルマルチメータです。
取扱説明書によると入力抵抗1MΩですね.アナログテスターの10Vレンジでいうと100kΩ/V相当です.電子回路の測定用としては,ちょっと足りないですね.デジタルマルチメータ(DMM)なら10MΩ以上は欲しいところです.
先に「LM358Aの3ピンが2.54Vではなく2.28Vほどしか出ていないことも気になります。」という書き込みがありましたが,それはお使いのDMMの内部抵抗が1MΩしかないからでしょう.LM358Aのピン3の電圧を0Vを基準として測定する場合,R6の220kΩとDMMの1MΩが並列接続されます.このため測定中は測定点の真値2.50Vのはずが2.25Vと表示されるわけです.
入力抵抗10MΩのDMMなら真値2.50Vに対して,2.47Vと表示されます.
まぁ,ここの電圧は電源電圧の半分ほどであれば問題はございませんが,当該記事中に記した電圧とずれがあるときは,DMMの入力抵抗が原因かもしれません.