佐藤さん,書き込みありがとうございます.
▼佐藤さん:
><図3>送信用ループコイルアンテナL1の仕様についてですが。
>なぜ線径1mm、内径18mm、幅5.1mmなのでしょうか。
ご質問の主旨と違うかもしれませんが,取りあえずお答えします.
基本的には「必要なインダクタンス」が得られる形状だからです.
また製作するうえで,入手が容易な材料で形成できて
手頃な形状だからということでいかがでしょうか?
これはワンターン・コイル(1回巻き)を形成しています.
通常のソレノイド状コイルでもかまわないのですが,
ワンターン・コイルなら実装高を低く抑えることができますから,
薄型にできます.その反面,コイルが占める実装面積が増えるので,
小型化には不向きです.
なぜ線径が1mmかというと手頃だからです.0.5mmでも
使えないことはありませんし,2mmでもかまいません.でも
0.1mmだとふにゃふにゃでインダクタンスが安定しないかも
しれませんし,3mmだと固くて加工も半田付けもしにくいでしょう.
なぜ内径18mmかというと,必要なインダクタンスが
得られる長さの線材を円形にしたら内径18mm程度になった
からです.ワンターン・コイルのインダクタンスは,
ほぼ長さに比例しますから,長さが同じなら楕円でも
ハート形でもかまいません.
なぜ幅5.1mmかというと,1/10インチ・ピッチの
ユニバーサル基板の穴ピッチは約2.54mmでその2個分
だからです.
>それとP61の<図6>コイルL2の仕様がなぜそのようになっているのか
これも送信機と同じ理由です.
線径,内径,端子間の寸法は上記と同様の理由によります.
こちらは2回巻きのソレノイド・コイルになっています.
このように2回以上巻くと,一つの巻き線で生じた磁束が
隣の巻き線も通過するので,インダクタンスは巻き数の2乗に
比例して増加し,ワンターン・コイルより小形にできます.
すでにお気づきと思いますが,必要なインダクタンスが
得られるなら,コイルの形状や巻き数は,この製作記事で
示した形状や寸法に限らず,いろいろなバリエーションが
考えられます.
そして,この記事で示した2例のコイルは,310MHz帯の機器で,
しばしば使われる代表的なコイルの形状でもあります.
以上でいかがでしょうか?