▼初めてさん:
>抵抗値の測定はテスターに付いている音の出る導通チェックでいいのでしょうか。
いいえ.基本的には「抵抗レンジ」を使います.
導通チェック機能は,テスターによってまちまちです.
>チェックしてみたところ0.1Ωでした。そこでショートしていると思われる箇所を見つけたいのですが、その場合上の方法で部品の両端にテスターを当てれば良いのでしょうか。
いいえ,部品の両端を測るわけではありません.
まず抵抗レンジの動作を理解しておきましょう.
アナログテスタの抵抗レンジでは黒のテストリードにプラスの電圧がでてきます.ディジタルテスタの抵抗レンジでは赤のテストリードにプラス電圧がでてきます.このとき出てくる電圧はテスターの内蔵電池によって異なり,アナログテスタなら1.5Vまたは3V,ディジタルテスタではまちまちです.
基本的にアナログテスタでは赤のテストリードをテストしたい回路の0V(グラウンド)に接続しておき,黒のテストリードを抵抗を測りたい点に当てて測定します.赤のテストリードはミノムシクリップなどを使って電池スナップのマイナス側か,回路の0V(グラウンド)と接続したまま,黒のテストリードを次々に測定箇所へ当ててゆきます.
ディジタルテスタならこの説明にあるテストリードの赤と黒を逆に読み替えてください.
図6の全回路ではIC4が電源レギュレータです.IC4の入力側で抵抗を測って数Ω以下なら,もうそのあたりで誤配線があります.
次にIC4の出力側を測ります.そこが数Ω以下なら,IC4の出力以降に短絡があるはずです.こうして順に測っていき,間違いを見つけます.
それでもわからないなら,次にIC4の5V出力を切断し,IC4の前後だけを確認します.たぶんここまでで短絡箇所は判明するでしょう.
次にIC4の5V出力を切断したままで,IC1,IC2,IC3の電源系を測ります.
たとえばIC1のLM358の8ピンを測ってみて数Ω以下なら,どこかが0V(グラウンド)と短絡しています.5V系は回路全体に接続されているので,原因はIC2やIC3の電源系も含まれます.
おそらく短絡箇所はこの方法で調べていけば見つかるはずです.
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余談ですが導通チェック機能に関して私のオススメはFluke社のDMMです.現行製品だと177シリーズとか89シリーズなど.これらは単なる電気的な抵抗(オーミック接触)とPN接合を音と表示で見分けることができるので,ICを使った回路の配線チェックに便利なのです.この機能は40年ぐらい前から同社の70系DMMに搭載されてきました.
普通のDMMの導通チェック機能は,単に導通をチェックするだけで,オーミック接触とPN接合を見分けることができません.どちらも導通OK表示か,ピーという音が鳴るだけです.
Flukeの導通チェック機能はオーミック接触ならばピーと鳴り,PN接合ならばピと短く鳴って接合の順方向電圧が表示されます.