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Re:[RFW23] SYSCLKのデューティ比の単調性について
 editor  - 18/5/23(水) 20:59 -
Hiroyuki Naito様
 小誌「RFワールド」ご愛読ありがとうございます.

 小池先生からのご回答を代理で書き込みます.
−−−ここから
掲示板拝見しました.

位相検波のための標本時点に関するご質問ということで承りました.

添付の図で入力信号の位相を調べる時刻をtとし,それに付けた番号を時点kとします.
間隔は隣り合う時点の時間間隔です.
数字をわかりやすくするために,SYSCLKの周波数を100[kHz]とします.
この時,時間の単位は[μs]となります.

(ア)はSYSCLKの立ち上がりだけを用いた位相標本時点です.
もし,SYSCLKが正確にDuty50%なら,(イ)のようにSYSCLKの立下りも標本時点に加えたほうが
位相検出の分解能が向上するのは容易にお分かり頂けると思います.

p.56の話は,このDutyが(ウ)のように50%ではなくなってしまったら(ア)に戻すべきか?ということについて書いています.
49.9%はダメでしょうか,さすがに10%はダメな感じがしますね.
45%は?40%は?

SYSCLKのDutyは50%に近いはずなので,正確に50%ではないとしても,(ア)に戻さないほうが良いのではないかというのが直感の部分です.
これに理屈を付け足したのがp.56です.

測度というのは物差しのことです.時刻tが位相を調べる物差しです.
普通物差しと言えば(イ)の時刻tのように目盛が等間隔で並びます.
これは測度でいうと二つの性質を持っています.
1.単調性:00<05<10<15<20<25<30<35
 測るための数字はこのような大小関係で並んでいなければいけません
2.加法性:これは間隔が等しくなっていることです.足し算で他の数字を表すことができます.
 定規であれは1cm+2cm=3cmということです.
 (実は加法性があると単調性を持つことになります)

(ウ)の状態は単調性しか持っていません.
時刻tは00<04<10<14<20<24<30<34と並んでいて,大小関係だけは保っています.
時間間隔三つの和は14になったり16になったりします.

このような測度は,通常の感覚の物差しとしては不完全ですが,大小関係を見極めることにはかろうじて使えます.
(余談ですが,ファジィ理論に出てくるファジィ測度というのがこれらの進んだ考え方です)

そこで,単調性だけを有している測度で測っていると表現すれば,直感ではなく理論で定めたように言えると述べたのです.
実際のところ,わかりにくい話を挟んでしまったという後悔はあります.

以上よろしくお願いいたします.

添付画像【516_koike-20180523.gif : 6.3KB】
【516_koike-20180523.gif : 6.3KB】

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[RFW23] SYSCLKのデューティ比の単調性について Hiroyuki Naito 18/5/22(火) 18:03
Re:[RFW23] SYSCLKのデューティ比の単調性について editor 18/5/23(水) 20:59 [添付]
Re:[RFW23] SYSCLKのデューティ比の単調性について Hiroyuki Naito 18/5/24(木) 9:10

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