RFワールド読者の掲示板U
 無線と高周波に関することを中心に、それ以外の話題も含めて、何でも書き込みOKの掲示板です。初めての方もネチケットを守って、お気軽にご参加下さい(^^)/
124 / 298 ツリー    ←次へ | 前へ→

[RFW44] 実信号と複素信号の説明につきまして 北川 18/12/21(金) 16:33 [添付]

Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につきまして editor 18/12/29(土) 23:53
Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につきまして 北川 18/12/30(日) 21:58
Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につきまして editor 18/12/31(月) 11:50
Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につきまして Hiroyuki Naito 19/1/8(火) 17:16

Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につき...
 editor  - 18/12/29(土) 23:53 -
北川さん,小誌「RFワールド」ご愛読ありがとうございます.
 ご返信が遅れてすみません.筆者の高橋様からのご回答を
転記いたします.
−−−ここから
> 1. p.39「SDRで取り扱う信号は複素信号なので,正負両方の成分を持っています」とありますが,実信号も正負両方の成分を持ちますね?また,複素信号の中には解析信号のように正の周波数成分しか持たない信号(後述の図6.2下段など)もありますので,「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」と書かれるのは違和感がありました.
>
> 2. p.40図4.3(b)の「複素信号に対してLPFはこのような正負対称の特性を持つ」とありますが,複素信号に限らず実信号に対しても同じと思います(LPFの係数は実数と仮定).

 実信号は、もともと正負の周波数成分を持っているというご見解に異論はありません。
 ただ、実信号については正の周波数成分のみを考慮の対象にしたとしても、不適切とまでは言えないと考えます。
頂戴した1,2はご意見として承ります。

> 3. p.56「変調前は実信号なので正の周波数のみが表示されています」とあり,図6.2上段が示されています.実信号であれば+1 kHzに対する-1 kHzの成分もあるはずですが,図6.2の上段はそれが表示されていないのですね?

 WX FFT Sinkは実信号については、横軸が正の周波数のみが表示されている、という文意です。信号成分の意味ではありません。

> 4. 3.の続きで「変調後のスペクトラム見ると,不要な反対側の側波帯に漏れがある」と書かれていますが,これは漏れているのではなく,元からある側波帯(-1 kHz)の残留成分ではないでしょうか?

 ご理解のとおりです。もともとあった-1kHzの周波数成分が、ヒルベルトフィルタの不完全性により残留していることを「漏れている」と表現しました。

以上コメント申し上げます。
−−−ここまで
引用なし

パスワード


618 hits
・ツリー全体表示

Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につき...
 北川  - 18/12/30(日) 21:58 -
ご回答ありがとうございます.

> 実信号は、もともと正負の周波数成分を持っているというご見解に異論はありません。
> ただ、実信号については正の周波数成分のみを考慮の対象にしたとしても、不適切とまでは言えないと考えます。

「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」と書かれたことに対して違和感があると書いたのですが,その点はいかがでしょうか?

繰り返しになりますが,複素信号の中には解析信号という正の周波数成分しかもたないものがあります.ですので,「実信号なので,正負両方の成分を持つ」とは言えますが,「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」には違和感があります.
引用なし

パスワード


622 hits
・ツリー全体表示

Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につき...
 editor  - 18/12/31(月) 11:50 -
北川さん,書き込みありがとうございます.
 筆者の高橋様からのご回答を転記いたします:

−−−ここから
> > 実信号は、もともと正負の周波数成分を持っているというご見解に異論はありません。
> > ただ、実信号については正の周波数成分のみを考慮の対象にしたとしても、不適切とまでは言えないと考えます。
>
> 「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」と書かれたことに対して違和感があると書いたのですが,その点はいかがでしょうか?
>
> 繰り返しになりますが,複素信号の中には解析信号という正の周波数成分しかもたないものがあります.ですので,「実信号なので,正負両方の成分を持つ」とは言えますが,「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」には違和感があります.

質問ではなかったのでスルーしましたが、違和感の意味がわかりました。
「複素信号は、正負非対称の成分を持ち得る」が正確ですね。コメントありがとうございます。
−−−ここまで
引用なし

パスワード


671 hits
・ツリー全体表示

Re:[RFW44] 実信号と複素信号の説明につき...
 Hiroyuki Naito  - 19/1/8(火) 17:16 -
実信号と複素信号についてはなかなかすっきりとした理解が自分でも得られて
いないので、"負周波数"の話題が出たのをきっかけに下記の翻訳記事を読み返
してみました。

「負周波数と複素信号」…http://ja5fp.org/nfreq.pdf

Googleで「負周波数」で検索すると上位でヒットするので、読まれた方も
多いと思います。

回転ベクトルのモデルをベースにした内容を要約すると、以下のようになり
ます。
1.実信号は回転方向が逆の(正負の同じ角度を持ち大きさは等しい)1対の回転
 ベクトルで表わされる。

2.実信号の掛け算は周波数ドメインでは畳み込みになり、その結果「ある
 信号の各成分は他の信号のすぺての周波数成分を変位させる」。

3.回転ベクトルの瞬時振幅とそのベクトルの角度、あるいは回転ベクトルの
 余弦値と正弦値が分かれば、曖昧さなしにベクトルを求めることができる。

4.余弦値と正弦値を複素数の実数と虚数に対応させれば、ベクトルを一つの
 数値で表せる(複素信号)。

5.正負の周波数ベクトルは、複素数を使って下記のように表せる。
 a(t)=Acos(ωt) ± jAsin(ωt)

6.複素信号は複数の正弦波から成り立つことも可能で、負の成分と正の成分
 は異なる(同じでもよい)。

7.正の周波数成分または負の周波数成分のどちらか一方をもつ場合、「解析
 信号」と呼ぶ。

そのほか、複素信号の掛け算、解析信号の生成方法、半複素ミキサ、Weaver法
によるSSB信号の復調方法も解説されています。

また、以上の解説の基礎となる数学はオイラーの公式ですが、

exp(z)=exp(x)(cos y + i sin y)
z=x + iy

の軌跡が複素平面上でグラフィカルに表示されるアプレットも興味深いです
のでご参照ください…https://www.falstad.com/euler/
引用なし

パスワード


907 hits
・ツリー全体表示

124 / 298 ツリー    ←次へ | 前へ→
 56,960
ページ:  ┃  記事番号:  

C-BOARD Moyuku v1.01b6