北川さん,小誌「RFワールド」ご愛読ありがとうございます.
ご返信が遅れてすみません.筆者の高橋様からのご回答を
転記いたします.
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> 1. p.39「SDRで取り扱う信号は複素信号なので,正負両方の成分を持っています」とありますが,実信号も正負両方の成分を持ちますね?また,複素信号の中には解析信号のように正の周波数成分しか持たない信号(後述の図6.2下段など)もありますので,「複素信号なので,正負両方の成分を持つ」と書かれるのは違和感がありました.
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> 2. p.40図4.3(b)の「複素信号に対してLPFはこのような正負対称の特性を持つ」とありますが,複素信号に限らず実信号に対しても同じと思います(LPFの係数は実数と仮定).
実信号は、もともと正負の周波数成分を持っているというご見解に異論はありません。
ただ、実信号については正の周波数成分のみを考慮の対象にしたとしても、不適切とまでは言えないと考えます。
頂戴した1,2はご意見として承ります。
> 3. p.56「変調前は実信号なので正の周波数のみが表示されています」とあり,図6.2上段が示されています.実信号であれば+1 kHzに対する-1 kHzの成分もあるはずですが,図6.2の上段はそれが表示されていないのですね?
WX FFT Sinkは実信号については、横軸が正の周波数のみが表示されている、という文意です。信号成分の意味ではありません。
> 4. 3.の続きで「変調後のスペクトラム見ると,不要な反対側の側波帯に漏れがある」と書かれていますが,これは漏れているのではなく,元からある側波帯(-1 kHz)の残留成分ではないでしょうか?
ご理解のとおりです。もともとあった-1kHzの周波数成分が、ヒルベルトフィルタの不完全性により残留していることを「漏れている」と表現しました。
以上コメント申し上げます。
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